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企業支援エトセトラ

平成26年3月26日

1.企業支援利用の勧め

日本経済は、公正かつ自由な競争秩序を維持し、国民経済が豊かになることを基本原理に設計されています。

公正かつ自由な競争秩序とは、企業に競わせ、良質廉価な製品を製造・販売させ、国民経済を豊かにするものです。

競争条件は同じように見えて異なります。同じに競争するのであれば、トレンドに乗り、競争条件をより良くして、競争するのが賢明だと思います。

アゲインストの風に向かうより、フォローの風に乗って競争する方が競争条件は有利になります。

政府は、都度、マクロ経済政策とミクロ経済政策の組み合わせにより、人為的にトレンドを作ることで、産業の振興を方向付けているからです。

  

ここでいう産業の振興分野の方向付けはどのように行われているでしょうか

国は、各企業に対し、①補助金・助成金、②低利融資、③税制上の優遇措置、④ノウハウ・情報の提供、⑤専門家の派遣など、各種の支援を行います。

これらの支援は、国のレベルだけではなく、地方のレベルでも、行われています。

 

では、そのようなお得な情報はどこで入手できるのでしょうか

国では、経済産業省(中小企業庁)、農林水産省、厚生労働省、国土交通省などの各省のインターネットサイトにて各種支援の内容および応募要件を公開しています。また、地方の経済産業局で定期的に説明会があります。地方では、都道府県のホームページにて商工部などが同様の広報をしています。

根気強く関係省庁のインターネットサイトを渉猟していただければ、貴社の方針・方向性に合った支援策がみつかるでしょう。

もっとも、多忙な業務活動の合間を縫うことも、まとまった時間を確保することも難しいかと思います。

 

そこで、簡単にお得な情報を入手できる方法をご案内します。

当事務所のポータルにあります補助金・助成金コーナーご覧ください。こちらは国と地方の補助金・助成金のインターネットサイトに直結しています。また、同様、当事務所のポータルにあります毎月更新お役立ちコーナーをクリックしていただき最初のページの最下段に赤のゴシックで緊急経済対策コーナーがあります。この文字をクリックしていただければ、国、公的機関による広い支援の目次が一覧で表示されます。

ミラサポhttps://www.mirasapo.jp/finance/taxinformation/)も御覧ください。中小企業庁が、中小企業・小規模事業者の未来をサポートするために設立させたインターネットサイトです。国や公的機関の各種支援をまとめて案内するとともに、同業者や専門家との意見交換の場を提供しています。こちらには税制上の優遇措置の案内もあります。

J-NET21http://j-net21.smrj.go.jp/index.html)もご覧ください。こちらは、独立行政法人中小企業整備基盤機構が管理するインターネットサイトですが、起業から技術開発、販路拡大まで広く支援しています。

 

次に、申請の時期です。いつまでに申請を行えばいいのでしょうか

第186回の本国会は、無風状態で、異例の速さで平成26年度予算を審理し、成立へと運びました。本来、予算が成立してから執行に入るべきですが、現実には、4月までに予算案が可決されることを前提に各省庁は企業に対しPRしています。傾向的には、毎年2月頃から募集の具体的日程が発表されます。応募状況により、年間を通じて、何度か公募がなされたりしますが、3月を皮切りに、その年度の公募が開始されると思っておけば日程的に間違いないと思われます。つまり、予算案が可決することを見越して、予算の執行手続が開始されるということです。

 

最後に、申請のタイミングです。どのようなタイミングで申請を行えばいいのでしょうか

事業者から見れば、事業経費を補助してもらうのであるから、経費を支出する前に給付して欲しいと思うのが本音だと思います。ところが、残念ながら、経費を支出した後でなければ、補助金の交付は執行されません。もちろん、事業計画の段階で申請しなければならなりません。事業を行った後、振り返ってみて、これは今年の補助要綱に合致していたからと遡及的に申請することはできません。つまり、事業計画の段階で、申請を行い、数か月後申請が採用された場合には、事業計画に従って、事業経費を支出したときに、領収書等のエビデンスを元に後日補助金が交付される仕組みになっています。

補助金を受けた場合、税制上の優遇措置が受けられないという二者択一の場合もありますが、収入を増やし、支出を減らすという態様で支援を受けることができる場合もあります。

人件費のように固定になるような経費の種類によっては、補助金の額が僅少であったりする場合もあります。しかし、いずれにせよ、事業拡大のために人を雇う必要があるのであれば、補助制度に沿う形で、事業計画を立て、執行した方が経営上効率的になります。

このように、補助金が出るから目先の利益のために補助金申請のための事業計画を作るのではなく、数年先を見据えた新の事業計画を作成し、その事業計画がより効率的にできるよう、補助金と税制上の優遇措置の合わせ技を利用することが肝心です。

まとめていえば、まず、御社が数年先を見越した事業計画を策定し、その事業計画の中に企業支援措置を組み入れ御社の競争条件を有利にして事業展開することです。

 

次回からは、企業支援策のうち、有用と思われるものについて、活用例も示して、ご説明します。

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