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蹉跌

気が付けば、あっという間にバブルは弾け、株と不動産はただ同然となり、ゴルフ場は倒産し、新規事業は赤字の連続となりました。残ったのは銀行への借金と在庫返品の山でした。銀行は手のひらを返したように厳しい督促をしてきます。会社の本業は、いっとき中国関連で一息ついただけで、全体としては下降線をたどる一方でした。借金の返済のため会社の資産だけではなく、私個人の資産はもちろん、連帯保証人となっていた父親の資産も売り払って債務を圧縮しましたが、とうてい追いつきません。不採算部門の婦人服飾の子会社を整理し、本業での支店と出張所をなくすとともに余剰人員の従業員を減らし、銀行に頼み込んで借換えに借換えを重ねて返済を繰り延べてもらいましたが、それもテールヘビーの条項で、金融円滑化法が終わる平成25年に支払えるめどなどありませんでした。それでも、父親の「不景気の時は商いを小そうして、我慢していれば、景気の波は来る。」との言葉を信じてそれまでじっと我慢を続けるしかないと思っていました。しかし、父親の経験と言っても、景気の波は10年くらいの周期で来ていましたが、今はバブルがはじけて以降20年経っても回復しません。このままだと次の景気の波が来る前にわが社は沈没してしまうでしょう。このまま銀行の顔色ばかりうかがい、やがて支援を受けられなくなれば倒産することになってしまう。借金の返済にばかり気を取られ、鬱々とした時間が過ぎてゆきました。

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