よくある法律相談(一般民事編)
私は個人でタクシー業を営んでいます。先日、運転中、赤信号で停止していたところ、後ろから車が追突してきました。私はこの事故で足が自由に使えなくなりました。損害賠償請求をしたいのですが、私が請求できる損害の内容というのはどういうものでしょうか?(40歳、タクシー運転手、男性Dさん)
交通事故の場合、損害の内容は、大きく分けて人身損害と物的損害に分けられます。
人身損害とは、人の生命や身体に危害が加えられたことによって生じた損害をいいます。
物的損害とは、物を傷つけられたことによって生じた損害をいいます。
次に、人身損害は、財産的損害と精神的損害に分類され、財産的損害は、さらに、積極的損害と消極的損害に分かれます。
以上をまとめると、次のようになります。
では、それぞれがどのような内容を指すのか見ていきましょう。
まず、積極的損害とは、事故によって、支出を余儀なくされた費用を指します。お金が積極的に減っていることから、積極的損害と呼びます。
例えば、治療費、交通費、それから、Dさんは足が自由に使えなくなってしまったということですから、松葉杖や車椅子の費用もここに含まれます。さらに、Dさんが入院されていたのであれば、入院中の雑費として一定額が認められますし、被害の状況に応じて付添看護費が認められることもあります。
次に、消極的損害ですが、これは、「事故に遭わなければ得られるはずだったお金」のことです。
Dさんは、事故に遭った当時タクシーの運転手だったということですから、事故に遭わなければ、事故日以降も毎日タクシーを運転して売上をあげていたはずです。これを請求することができるわけです(ただし、経費は差し引かれます)。この損害は、講学上、Dさんの体が「もうこれ以上治療しても良くならない」という段階(「症状固定」と言います)に至るまでは、「休業損害」と呼ばれ、この時点以降は「逸失利益」と呼んで区別されます。
さらに、慰謝料です。入院通院している場合、入通院すること自体大変ですから、これに関して慰謝料を請求することができます。さらに、後遺障害が残ってしまった場合は、そのことに関しても別途慰謝料を請求することができます。
次に、物的損害を見ていきましょう。
Dさんのタクシーは後ろから追突されたわけですから、車を修理する費用がかかっているでしょう。この修繕費を請求することができます。
その他、レッカー代や、仮に廃車にするしかないような状態であれば、廃車料も請求できます。
仮にDさんが軽傷で仕事を休む必要がなかったのであれば、仕事に必要な代車を調達する必要があります。そこで、この代車使用料もすることができたしょう。
Dさんは、上記の損害に、事故の日から年5%の遅延損害金を加えて、相手方に請求することができます。
