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よくある法律相談(一般民事編)

【相談ケース13】
  先月、私たちの息子(高校1年生)が、不良グループにからまれ、ひどい暴力を受けて重傷を負いました。息子は今も入院中です。調べた結果、暴力をふるった不良グループは、息子が通う学校の上級生であることが分かりました。今後、私たちは、誰にどのような責任を問えますか?(Eさん夫妻)

 Eさんご夫妻は、息子さんの法定代理人として、息子さんに生じた損害の賠償を、暴力をふるった上級生たち、上級生の親、そして、学校又は国、都道府県、市町村に対して請求していくことが考えられます。
 まず、息子さんに生じている損害ですが、治療費、交通費、付添看護費、入通院慰謝料等を請求することができます。さらに、後遺症が残ってしまった場合は、障害の等級に応じて、逸失利益や後遺症慰謝料も請求することができます。詳しくは、こちらの法律相談をご参照ください。
 次に、誰に請求できるかですが、まず、暴力をふるった上級生らです。息子さんと同じ学校の上級生ということは、未成年者ですね。
 さて、未成年者は、民法上、行為時に責任能力を有していなかった場合には、損害賠償責任を負わない旨規定されています(民法712条)。責任能力とは、自分の行為について、自分で責任をとることができる能力をいいます。この責任能力は、通常、12歳から13歳で備わると考えられています。
 上級生たちは、責任能力が十分認められますので、責任を免れることはできません。
 ただ、未成年者に対する損害賠償請求が認められたとしても、彼らは実際にはお金をもっていない場合がほとんどでしょう。現実に支払を受けるには、親や学校を相手にした方が良いですね。
 そこで、親に対する請求ですが、民法上、親は、責任能力を有しない未成年者がした行為についてのみ責任を負うと規定しているように読めます(民法714条1項本文)。しかし、最高裁判所は、「未成年者が責任能力を有する場合であつても監督義務者の義務違反と当該未成年者の不法行為によつて生じた結果との間に相当因果関係を認めうるときは、監督義務者につき民法七〇九条に基づく不法行為が成立するものと解するのが相当」と述べ、責任能力を有する未成年者がした行為についても、親の監督義務違反と被害との間に相当な因果関係がある場合には、親が責任を負うことを認めました(最判昭和49年3月22日)。
 しかし、この因果関係の立証は簡単ではありません。判例では、突発的な喧嘩や事故では親の責任を認めない傾向にあります。どういう場合に認められるかと言いますと、未成年者が普段から不良との交遊、喫煙、飲酒、怠学、無免許運転をしている等素行不良である場合です。子供が素行不良であることを親が知っていたなら、注意すべきだし、知らなかったというならば、毎日子供の行為を観察して生活態度を把握すべき義務があったでしょう、ということですね。  今回の事件について、Eさんご夫妻のお話に「不良グループ」とありますが、彼らの普段の素行はどのようなものだったのでしょうか。上記のような事情が、親に責任を問える可能性も出てくるでしょう。
 最後に、学校です。私立であれば、学校法人を相手に、公立であれば、国、都道府県、市町村を相手に損害賠償請求をすることが考えられます。これらは、代理監督者といい、ここでも親に責任を問う場合と同じ問題が出てきます。したがって、未成年者が普段から素行不良であった場合には、責任を問う余地があるでしょう。

2010年7月30日 弁護士 山口遼子

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