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よくある法律相談(一般民事編)

【相談ケース14】
  貸金業法の改正により、お金が借りられなくなり、生活に困っています。『破産』も考えているのですが、『破産』という言葉のもつ暗いイメージに、何となく躊躇してしまいます。『破産』すると、どんな不利益がありますか? (46歳 無職 男性)

 『破産』というと、「自分の人生はもう終わってしまった・・・」というようなイメージをもつ方は非常に多いと思います。でも、決してそうではありません。そもそも、破産制度というのは、多額の債務を抱える人を、債務から解放し、もう一度新しく生活を始められるように支援してくれる制度なのです。
 破産手続を開始し、免責許可の決定を受けることで、借金がなくなります。これが破産・免責手続きの最大のメリットです。

 一方、巷で言われている破産のデメリットには、真実でないことがたくさんあります。
 以下のQ&Aでまとめてみました。

Q:戸籍や住民票に破産した事実は載りますか?
A:載りません。

Q:選挙権が奪われるのではないですか?
A:奪われません。

Q:破産を理由に会社から解雇されませんか?
A:されません。破産を理由とした解雇は不当解雇になり得ます。

Q:それでも、勤務先や家族には知られますよね?
A:あなたに弁護士がついていて、会社や、勤務先の方、家族があなたの債権者でない限り、知られません。申立に際しては、退職金(見込)額証明書を提出するように言われる場合があります。これを会社に発行してもらうことで破産に気付かれる可能性はあります。これに抵抗がある方は、退職金規程を含む就業規則を取得して弁護士に見せてください。弁護士が退職金見込額を計算します。就業規則は、労働基準法上、会社内で明示されているはずですが、どうしても見つけられないという方は、親しい上司などに事情を説明して、手に入れてもらうとよいでしょう。

Q:家族に対して請求がいくのではありませんか?
A:ご家族の方が保証人になっておられる場合以外は、請求されません。

Q:銀行取引は全くできなくなりませんか?
A:預金したり、光熱費の引き落とし口座として利用することはできます。

Q:全ての財産を取り上げられるのではないですか?
A:新しい生活を始める上で、必要なお金(具体的には、99万円以下の金銭)及び差押えが認められていない財産(生活に必要な衣服や家具等)はあなたの手元に残されます。

Q:滞納している税金はどうなるのですか?
A:税金の滞納分は、今後支払っていかなければなりません。破産して免責許可決定を受ければ、債務は全てなくなるのが原則です。しかし、税金は、非免責債権と呼ばれ、例外的に免責が受けられない請求権なのです。

  

 実際に、破産をすることで被る不利益で代表的なものというのは以下のようなものです。
一定期間はクレジットカードを作ったりローンを組んだりすることはできません。
 これは、破産をすると経済的な信用が低下するからで、ある程度期間が経過し信用が回復すれば、再びカードを作ったりローンを組むことも可能です。また、期間が経過しなくても、現金であれば高価なものを購入することも可能です。
マイホームは失います。
 これは仕方ありません。借金を帳消しにしてもらう以上、家という価値のある財産は差し出さなければなりません。
官報には名前が載ります。
 官報というのは、政府が出版している刊行物です。しかし、官報が出るたびに逐一チェックをしている人なんてそういません。
一度免責を得ると、7年間は再度の免責決定を受けることはできません。
免責決定が出るまでの間は、一定の仕事に就くことはできません(身近なものでは、警備員や旅行業者など)。
 あくまでも、免責決定が出るまでであり、決定後にこれらの仕事に就くことは可能です。

 「破産」のもつ漠然とした悪いイメージなど気にする必要はありません。世の中に破産をしたことがある人なんて山ほどいます。確かに、破産すると、借金が帳消しになるのですから、苦しい時にお金を貸してくれた債権者には迷惑をかけてしまいます。そのことについては、ご自身の生活態度を見直して内省を深め、今後のお金の管理に気をつければよいのです。

2010年8月3日 弁護士 山口遼子

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