平成25年9月13日
誰しも結婚するときは幸せな家庭を築けるものと思っています。しかし、不幸にしてそれがかなわず、離婚を決意することもあります。離婚による慰謝料とは、このような幸せな結婚生活を破綻させた相手方に対し、受けた精神的ダメージを少しでも慰めるために認められるものです。
民法が認める離婚原因は、不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、相手方が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき、その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき、となっています。この中で慰謝料の請求が認められるのは、不貞行為、暴力(DV)や虐待などであろうと思われます。
相手方が不貞行為、すなわち浮気をして結婚生活を続けていけなくなったときや、暴力から逃げるためには、離婚を決意することになるでしょう。
では、いくらぐらいの慰謝料が認められるべきかの問に対しては、一概に答えられないのです。人はそれぞれ感受性が違います。また、夢破れた人は自分は世界で一番不幸な人間で、傷ついた気持ちはお金には代えられないと思うでしょう。それでも長い日本の裁判の歴史の中で多くの裁判例が積み重ねられ、それなりの考え方ができてきました。
慰謝料をはかる要素として、相手方の責任の重さ、背信性、婚姻期間、相手方の社会的地位や支払い能力などがあります。これらの要素をもとにお互いの結婚生活の実態について双方の意見を聞いて判断されることになります。
では、実際どれくらいかというと、今まで当事務所で取り扱ってきた事案について、慰謝料の額の分布を見れば、200万円前後から500万円前後くらいが比較的多数であると思います。
ここで注意しなければならないのは、慰謝料は必ずもらえる、ということではないのです。たとえば、「性格の不一致」は離婚原因としてそれが重大な場合には認められますが、これは双方に原因があるので、慰謝料は認められないのです。
top