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税制知っ得

平成25年3月22日

12.老後に備えて(2)

前回、小規模企業共済、確定拠出年金、国民年金基金に加入することで受けられる税法上の有利な措置について、触れました。もう少し詳しくみていきましょう。

掛け金は全額所得控除

小規模企業共済及び確定拠出年金は、小規模企業共済等掛金控除として、全額の控除が認められます。小規模企業共済であれば、年間84万円まで、確定拠出年金であれば、81万6000円まで、所得から控除できるのです。

例えば、課税される所得金額が500万円の人が、月5万円を掛金としていた場合、

(通常)

500万×20%-42万7500円=57万2500円

(小規模企業共済加入)

(500万-60万円)×20%-42万7500円=45万2500円

年間12万円の節税となります。所得税法は累進課税方式を採用していますので、税率の区分が変われば、より大きな節税になりますね。

国民年金基金は、社会保険料控除として、所得から控除され、計算については同様です。

共済金の受け取り

事業の廃業や役員の退職等の理由により小規模企業共済の共済金を受け取った場合は、その受取方法により税務上の扱いが異なります。

一括で受け取った場合は、退職所得になり、退職所得控除が認められます。退職所得控除は控除額がかなり大きいので、課税されない又はされたとしても少額で済む場合がほとんどでしょう。

また、共済金は年金のように分割で受け取ることもできます(10年又は15年)。この場合は、公的年金の雑所得扱いとなり、やはり大幅な控除が認められるため、課税されない場合が多くなります。

確定拠出年金についても、一括で受け取る方式と分割で受け取る方式があり、税務上の扱いは小規模企業共済の場合と同じ扱いです。

国民年金基金は年金ですので、公的年金の雑所得扱いとなり、共済金を分割で受け取る場合と同じです。

運用によって得た金銭は非課税

さらに、確定拠出年金は他の二つの制度と異なり、上手に運用すれば運用益が生じ得ます。これについては非課税となっています。

 

「老後」まで、まだ30年以上ある身としては、それまでに制度が破綻しないかという一抹の不安を覚えますが、節税効果には軽視できないものがあり、加入すべきかどうか十分検討に値する制度だと思います。

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