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プロボノ活動

平成24年10月18日

犯罪被害者支援活動の第一歩  弁護士安生誠

私のプロボノ活動は、主として大阪弁護士会での犯罪被害者支援委員会での活動です。

馴初めは、平成18年7月6日にあった大阪弁護士会で実施されている同委員会が主催する犯罪被害者弁護ラインです。犯罪被害者弁護ラインとは、毎週火曜日午後3時から6時までの間、有志の弁護士が交代で行っている電話による無料法律相談です。犯罪の被害を受けられた方に向けられた、いうならば専門の無料法律相談です。電話の回答を担当する相談員は、現在460人ほどいます。大阪弁護士会の現在の会員数が3861人ですから、会員の約12%、ざっと10名に1名が登録しているということになります。これだけを聞けば、すごい数の弁護士が犯罪被害者のための委員会活動をしているかと思われるかもしれません。実は、この電話相談の相談員は、必ずしも犯罪被害者支援委員会の委員ではありません。その多くは、この電話相談を行うために犯罪被害者支援について研修を受けた弁護士、特にやる気満々の若手弁護士です。

話はちょっと脱線しましたが、もとに戻ります。馴初めです。当時も、今もですが、電話相談では、デリケートなご相談を受けることがあり、このような事態にあってもきちんと対応させていただけるよう、経験のある弁護士と必ずしもそうでない経験途上の弁護士の二人がペアでご相談に当たるようになっております。この日は、大川哲次先生がご指南役の相談員でした。大川先生は、実は、私が大阪で司法修習を受けていた当時の弁護士会の副会長であり、私どもの班の引率者でした。勿論、大川先生は、多数いる修習生の一人にすぎない私のことは覚えておられませんでした。しかし、私は、何ともお口が達者というか、おもろい関西人という印象があり、覚えていました。話の流れで、大川先生は私に対し、委員会活動は何かしているのか聞いてこられました。私は、留学帰りであったことなどから、委員会活動が途切れ、今は特に従事しておりません、と答えました。すると、大川先生は、間髪を入れず、それじゃ、犯罪被害者支援員会に入いらないか、この委員会の活動は非常にやり甲斐があるからと言われ、お誘いを受けました。私は、即、二つ返事をしました。

こうして、翌週金曜日の7月14日、委員会にオブザーバーとして参加しました。普通4月から委員に委嘱されるのですが、翌8月から、犯罪被害者支援委員会のメンバーになりました。ここが私の委員会での活動の出発点です。(続く)

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