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プロボノ活動

平成24年12月6日

児童福祉施設での事業  弁護士中辻史記

JC1年目で経験した事業の1つに、身体障害者の児童達が入所するとある施設において、児童達に一日様々な体験をしてもらうという事業がありました。

グループ毎に体験ブースを設営するのですが、その内容について何ヶ月も前から皆が話し合い準備を行い、当日は朝早くから集合し、私たち新人が1人ずつアテンドとして各児童に付き、各ブースを見て回るというかたちで実施しました。児童の中には自分で歩行することが困難で車椅子や移動式ベッドに乗ったままの子も多く、また、コミュニケーションをとるのが困難な児童も多かったので、アテンドして歩くだけでも大変な中、私も小学校1年生の女の子を連れて各ブースを回りました。

ブースの内容は調理体験ブースと職業体験ブースに分かれて、調理体験ブースでは、カレー、ナン、白玉作り体験が、職業体験ブースでは、アクセサリー作りや野球、ボウリング体験、カメラマン体験などが行われました。また、大きな壁紙に1人1人折り紙の星を張ってもらい天の川を作ったり、さらに一緒にダンスをする(車椅子の児童も手拍子で参加)などの企画も用意されていました。

私たちのグループは職業体験の一環として化学実験体験ブースを設営し、発声量実験や声の振動実験、色の変化実験(うがい薬の中にビタミンウォーターを入れると色が変わる)などを実施しました。

最初は見知らぬ大人と接するため態度が固かった児童が、徐々に心を打ち解けていき、一緒にブースを楽しむに至る過程は感慨深いものがありました。最後は涙で別れを惜しむ児童もいたほどです。施設の方によると、児童たちは年に1回訪れるこの日を本当に楽しみにしているとのことで、児童たちの様子を見てもそれがよく分かり、事業をやり遂げたときは達成感とともに充実感を感じることが出来ました。また、準備に相当な時間を掛け、1つの企画に挑戦し皆で作り上げていく過程は、どこか学生時代に戻ったような懐かしさを感じることが出来ました。

ただ、児童とコミュニケーションをとる方法や、私たちのブースに対して無反応の児童も少なくなく、児童たちとの間で温度差を感じるなど、本当に児童目線で楽しんでもらえる企画が達成出来たかといった課題も多くありました。

いずれにせよ、この事業はJCI大阪の事業の中でも非常に有意義なものであるので、今後も是非継続していってもらいたいと思います。

ちなみに、その年の終わりには、上記経験をもとに、サンタ事業と称して別の児童福祉施設に行き、短い時間ながら、一緒に玉入れをしたり、マルモリダンスを踊るといった事業も実施し、児童たちとともに良い思い出を作ることも出来ました。

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