トップページ > プロボノエッセイ > 今年も高校へ出張授業に行ってきました
平成25年10月29日
今年も某高校で出張授業をしてきました。テーマは「刑事事件と裁判員裁判」。
数年前も同じテーマで話したことがあり、そのときは木村拓哉さん主演の『HERO』を紹介して捜査段階の説明をしていたのですが、最近の高校生はこのドラマを知らないんですよね。これがテレビで放送されていたのが平成13年。つまり、今の高校生がまだ4,5歳くらいのときですから、さすがに観ていなかったでしょう。時代は堺雅人さん主演の『リーガル・ハイ』のようです。
授業では、捜査や公判の手続、「無罪推定」という刑事事件の大原則などを、テレビドラマや実際にあった著名人の事件を紹介しながら説明した上で、ミニ裁判員裁判をしました。検察官役・弁護人役・裁判員役に分かれ、簡単な事件設定で、殺人事件で起訴された被告人の殺意の有無を検察官・弁護人それぞれの立場から述べてもらい、裁判員役の人に判断してもらいました。
刺した部位が下腹部に近い太ももであれば殺意は認められるか。
事件前日の夜に果物ナイフを準備していたら殺意が認められるか。
被告人は以前にも被害者ともめたことがあり、その際に「殺すぞ」と言っていたら殺意認められるか。
など、色んな観点から検討して頂きました。
高校生は難しそうな顔をしながら取り組んでいました。
学校やクラスによって授業を受けるときの雰囲気が全く違います。弁護士が来ること自体かなり珍しいのか、どこのクラスも熱心に聞いてくれますが、とても賑やかでちょっとしたことでも活発に意見を述べるクラスから、積極的に意見は述べないけれど、じっと静かにこちらを見ているクラスまで様々です。数年前に話したのと同じテーマだからと準備を怠ると、「同じことを言ってもあのクラスは笑ってくれたのに、こちらではシーンとなってしまった」というようなこともあります。クラスの雰囲気を感じながら、「この冗談はやめておこう・・」と怖気づいたり、思い切って言ってみたり。そんなワクワクも、この出張授業の醍醐味の一つです。
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